MDJ Award 2022

「MyDataJapan 勝手表彰2022」概要

私たち一般社団法人MyDataJapanは、デジタル庁によって創設された年に1回の「デジタルの日」に「MyDataJapan 勝手表彰」と題して、”MyDataの原則”に則った活動をする個人・組織・取り組みを表彰することで、多くの国民の皆様に取り組みを広く周知すると共に、日本発の取り組みを世界に発信していきます。

MyDataの原則
https://mydatajapan.org/documents/mydatadoccumets/declaration/

MyDataJapanは、公正で持続可能な社会を実現するため、パーソナルデータに関する個⼈中⼼のアプローチを推進することよって、個⼈をエンパワーする社会の実現を目指して活動しております。その活動の一つとして、フィンランドに本部を置く MyData Global および 全世界に広がる hubネットワークと連携し、MyDataの考えを日本に広げるだけでなく、日本におけるMyDataに資する取り組みを世界に発信していきます。

本年は「MyDataJapan 勝手表彰 2022」として以下の4つの取り組みを表彰します。

「MyDataJapan 勝手表彰 2022」受賞者

HCS(Human Centric Service:個人中心サービス)賞
受賞対象:「教えてURL」
受賞者名:株式会社DataSign
選定理由:「教えてURL」は、WEBサイトの外部送信の実態を簡単に見える化できるツールであり、ブラウザの拡張機能としてDataSign社が無料提供しているものである。 現在、電気通信事業法に関する総務省令案(外部通信規律)が議論されているが、当該WEBサイトでどのような外部通信が行われているかを利用者が簡単に確認することは難しく、プライバシーポリシー等で事業者による記述が仮にあっても、それが正しい記述であるかを利用者が確認することは難しい。また、総務省「プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関するワーキンググループ」で報告された野村総合研究所の調査(※1)でも、利用者の7割は外部送信の実態を知らないという結果が報告されている。 このような中で、「教えてURL」は実際に発生している外部送信の概要について、一般の人には認識できない脅威をわかりやすく可視化することができる。このようなツールを一般利用者がインストールすることで、外部送信の実態を認識し、事業者サイドにも対応のきっかけを与えるものとして、まさにMyDataの考え方と合致しており、ここに表彰する。
HCS(Human Centric Service:個人中心サービス)賞
エンゲージメント賞
受賞対象:「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.2」
受賞者名:経済産業省・総務省
選定理由:「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブック」は、企業が社会からの信頼の獲得するためのプライバシーガバナンスの構築に向けて、取り組むべきことをガイドブックとして取りまとめたもので、2020年にver1.0、2021年にver1.1が公開、2022年2月に最新版であるver1.2が公開された。本ガイドブックは、企業が社会からの信頼獲得のため、法令遵守を超えて取り組むべきことを、企業ガバナンスの視点でまとめたもので、体制、運用ルール、文化醸成、消費者やステークホルダーとのコミュニケーションという視点で、現時点での日本のベストプラクティスをまとめたものである。 本件は、法的拘束力をもたないガイドブックという位置づけであるが、毎年更新・公開され、企業にとって現時点での業界トレンドと自身の立ち位置を知り、透明性と説明責任を伴った自身の企業活動に反映できるという意味でMyDataの原則に則した非常に意味のある取り組みである。 このような取り組みが今後とも継続し、利用者や社会から信頼される企業が増えることを期待し、ここに表彰する。
エンゲージメント賞
市民啓発賞
受賞対象:動画「エリーの個人情報オークション」
受賞者名:Apple Inc.
選定理由:この動画では、ターゲティング広告で利用されている枠の競売の仕組みを実際のオークションとして表現し、本人の関与しないところで個人情報がどのように事業者によって取得・利用されているかをわかりやすく、そして批判的に視聴者に伝える内容となっている。その表現方法は秀逸であり、多くの生活者にとってスマートフォンで収集されているデータやプライバシーについて考えるキッカケとなったと考えられ、MyDataの考えと大いに共通する情報を広く啓発していただいたことに感謝し、ここに表彰する。
市民啓発賞
プライバシーテック賞
受賞対象:仮名化ID (PPID: Pairwise Pseudonymous Identifier) サービス
受賞者名:PPIDサービス提供事業者(Apple Inc.「メールを非公開」/株式会社DataSign「Bunsin」/DuckDuckGo, Inc.「Email Protection」/Anonyome Labs, Inc「MySudo」等)
選定理由:3rd Party Cookieの廃止が予定されている中、個人を名寄せし複数の事業者が保有するデータを連携して活用するために、メールアドレスを識別子として利用しようとする取り組みが複数進んでいる。しかしながら、サービスを利用するために登録したメールアドレスがそのような目的で利用されると想像できる個人がどれだけいるだろうか。そのような事業者側の動きに合わせて個人を守る仕組みとして、サービスごとに異なるダミーのメールアドレスを生成することで本当のメールアドレスを保護することができる「メールアドレス仮名化サービス」が出てきている。このサービスは仮名化ID(PPID: Pairwise Pseudonymous Identifier) という、サービスごとに異なるIDを送ることでサービス間での行動履歴の収集と連携を防止する技術を利用しており、アプリで新しいアカウントを作成する時やオンラインのニュースレターに登録する時などの、メールアドレスを用いなければならない様々な場面において、ランダムなメールアドレスを生成して利用することで、個人の本当のメールアドレスを知らせなくても利用できるようになった。 このようなサービスが今後さらなる発展をし、より多くの方に利用してもらえるようになることを期待して、ここに表彰する。
プライバシーテック賞